2025年06月14日
ビーチ・ボーイズのボーカル、ブライアン・ウィルソンがこの世を去りました。
訃報を聴いてまず思い出したのは2016年に来日したときのライブ、ペットサウンズ50周年アニバーサリーのアルバム再現ライブに参加できたこと。
伊織と2人で行けてよかったなあと。
誰の言葉も拒絶したくなって壁を作って立て籠っているときにも音楽は次元をすり抜けてすうっと心に入り込める、不思議な浸透力がある。
精神的な病のうちにあって、妄想や幻聴の中にある人であっても歌は届く、と坂口恭平さん(彼も小説家、建築家、ミュージシャンであり画家でありアーティスト)が言っていた。
坂口恭平さんは彼自身躁鬱病であり、死にたい人を救ういのっちの電話の活動を長年行っている。
私も死にたい訳じゃないが(私の地元、仙台に恭平さんがくる予定だったが彼の鬱でキャンセルになり、私はそれに予定を合わせて帰省しとても楽しみにしていたので元気な時に是非仙台にきてほしいと伝えようと思った)、一度かけたことがある。
ちゃんと折り返しかかってきた。
ちなみに坂口恭平さんは去年、仙台で個展を開き、その約束を果たしてくれました。ただ、お話しした際彼自身は私の電話のことは覚えていないようだった笑。まあ恭平さんは死にたい人にしか興味ないって常々公言なさっているしね。
ブライアンの曲は暗闇から差込んだ何度も私を掬い上げてくれた。
楽しいとき、明るい空の下でも、孤独な夜でも、共にあるメロディをたくさん残してくれた。
グッドバイブレーションに戻してくれる楽曲のパワーは多くの人を掬い上げ次元の狭間からここに戻してもらった人がたくさんいるだろう。
ブライアン自身が幾度も音楽によって救われたように。
この世の重量から解き放って浮遊させてくれる。
「あれ、美しさも愛も揺るぎない大地も神さまの芸術としか思えない美しい空もここにあった、何も足りないものはなかった」って思い出させてくれる曲たち。
ブライアンの自伝的映画『ラブアンドマーシー 終わらないメロディ』をみて、よくここから這い上がってきてくれた、そしてまた曲を作ってくれてありがとうという気持ちになった。天才故の孤独や搾取しようとする人間に利用されてしまうことも現実問題としてあるよね。
ブライアン、きっと天国で楽しく音楽を奏でていることでしょう。あなたを愛するたくさんのこの世の人々の愛と感謝、賛美を見てきっと微笑んでいると思う。ありがとう。あなたの愛と慈悲をずっと忘れない。
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